岸田首相の所信表明演説は、経済政策に重点を置いたものでした。物価高や円安への対応、構造的な賃上げの実現、成長のための投資と改革など、日本経済の再生に向けた具体的な施策を多数発表しました。以下に、演説の要点をまとめてみました。
物価高や円安への対応
・食料品やガソリンの値上がりを抑えるための追加策を講じ、低所得世帯向けに緊急の支援策を実施する。
・電力料金の大幅な値上がりに対しては、前例のない思い切った対策を講じるとともに、エネルギー安定供給や食料安全保障の確保に取り組む。
・円安メリットを活かして、訪日外国人旅行消費額の年間五兆円超の達成や、半導体や蓄電池の工場立地、農林水産物の輸出拡大など、経済構造の強靱化を進める。
構造的な賃上げ
・官民が連携して、現下の物価上昇に見合う賃上げの実現に取り組むとともに、公的価格においても民間給与の伸びを踏まえた改善等を図る。
・リスキリング支援に五年間で一兆円を投じるとともに、労働移動の円滑化や職務給への移行など、人への投資という三つの課題の一体的改革に取り組む。
・同一労働同一賃金についてはその遵守を一層徹底するとともに、新しい働き方に対応するため、フリーランスとして安定的に働ける環境を作る法整備にも取り組む。
成長のための投資と改革
・科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX(グローバルエクセレント)、DX(デジタルトランスフォーメーション)の四分野に重点を置いて、官民の投資を加速させる。
・研究開発費用や特許料などを減税するとともに、国際競争力が高い分野で世界トップレベルの研究者や技術者を集める「イノベーション・ハブ」を創設する。
・スタートアップ支援制度やベンチャーキャピタル税制などを拡充するとともに、大企業とスタートアップが連携する「オープンイノベーション」を促進する。
・GX企業やDX企業が海外展開しやすくするため、税制面や規制面で優遇措置を講じるとともに、国際標準化やデジタルルールの策定に積極的に関与する。
岸田首相は、経済政策について、「経済、経済、経済」と三度も連呼し、その重要性を強調しました。物価高や円安という厳しい状況にあっても、日本経済の再生に向けて、果断かつ丁寧に政策を実行していくという姿勢を示しました。今後の政府の動向に注目が集まります。
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